風評被害のメカニズム
「風評被害」のメカニズムを解くにあたり、一番のわかりやすい例として1974年の原子力船「むつ」の放射能漏れ事件がある。
実際に政府が公式ステートメントとして「被害はない」との声明を出したものの、
当時の放射能という見えない恐怖に国民は周辺から上がった主に魚介類を買わなくなり、経済的被害に発展した。
また大量の報道によって人々の脳裏に焼き付いたイメージは消えることなく、ダメージコントロールも効かなくなる。
人々は安全面を考慮して、科学的根拠の有無に関わらず心理的にそれらを忌避する。
その風評フローは数十年経った現在でも変わりがないことは3.11をみても明らかである。
(これは単に原発からの放射能漏れに科学的根拠があるないなどに言及しているわけではございません。)
数十年の時を経て、最も変わった環境としてはやはりインターネットの存在有無であって、人々の潜在意識は情報流通によって形成されることも明らかです。
したがって、ダメージコントロールを企業が行うとして肝心なことは、
ダメージから想定される最悪のケースに備えて日頃から準備を継続させる必要がある点です。