PR企業と世論誘導
「ボスニアだけで悲劇が起きているわけではない」
とボスニア紛争の際に当時のガリ国連事務総長は発言した。
この発言により、他国からも非難を浴びることとなる。
その原因は、「問題の所在」にある。
現在、進捗させている議論から完全に目を背けているに過ぎないからである。
しかしその背景には元々欧米では問題意識や認識が殆どなかった東欧小国の紛争を時事問題にまで誘導させたパワーが存在する。
当時、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府には有力なPR企業であるルーダー・フィン社を雇い、
「民族浄化」(ethinic Cleaning)という悍ましいキーワードを使用して、
世論をボスニア紛争に集中させようとし、実際に成功している。
このように国際的な紛争に際しても政府が世論誘導のためにPR企業を雇うことは
半ば常識のようになってはいるものの、日本では非常に馴染みが薄いように思える。
日本の国民性がいわゆる「ステマ」を許さないように、
こういった世論誘導さえも世間はゆるさないのであろうか。
いや、確実に今後、この需要は大きくなるはずであると私は考えている。